日本語バージョン

第1条【法源】

           (1) 万国公法、戦争法、米国最高裁判所のNeely v. Henkel, 180 U.S. 109 (1901) 、Downes v. Bidwell, 182 U.S. 244 (1901) 等の判決及びサンフランシスコ平和条約に基づいて米国は主要占領権国であり、米国軍事政府(USMG)が台湾に対し管轄権を有する期間、世界人権宣言の原則に基づき、台湾区域内の台湾公民及び台湾住民の権利の取得、喪失、回復及び取消等の事項は、本法がこれを定める。

           (2) 前項の米国軍事政府の管轄期間は、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーが1945年9月2日に一般命令第一号を公布して台湾域内における大日本帝国の軍隊に蒋介石総帥へ降伏することを命じた時から開始し、米国最高裁判所のCross v. Harrison, 57 U.S. 164 (1853) の判決に基づき、米国軍事政府の台湾に対する管轄期間は米国大統領が終結を明確に宣布した時に終了するまで継続する。

第2条【名詞の定義】

           本法の特殊な名詞の定義は以下の通りである。
                 (A) 台湾人民:本法の施行時において、台湾に住居所を有する者を指す。
                 (B) 台湾住民:本法の施行時において、台湾に既に戸籍を設けている者。
                 (C) 台湾人:本法第3条第(1)項第(A)号の者を指す。
                 (D) 台僑:台湾以外の国家又は地域に居住する台湾人。
                 (E) 米国人:米国公民の旅券又は米国国民の旅券を所持する者。
                 (F) 日本人:日本の旅券を所持する者を指す。
                 (G) 外国人:台湾人でない者は即ち外国人であり、その所持する身分証明書類が国家、地方政府、国際団体、亡命政府、国際連合等の機関が発行したものか否かに関わらない。
                 (H) 国家:米国国務省が承認しその公式サイト上において公布する「独立国家」のリストを基準とする。
                 (I) 無国籍人:いかなる国家の身分証明書類も持たず且つ目下手続を行えない者を指す。
                 (J) 居留者:台湾地域において住居所を有し居留査証(契約労働を含む)を有する外国人を指す。
                 (K) 滞在者:台湾地域において短期滞在査証を有する外国人を指す。
                 (L) 契約労働者:外国人又は無国籍人で(i)商船、作業船及びその他主管機関が特別許可する船舶の作業、(ii)海洋漁労作業、(iii)家庭内労働、(iv)工場の作業、(v)台湾域内の重要な建設工事又は経済社会の発展の需要に応じるため招聘された仕事、(vi)宗教活動、(vii)その他法治法務部が指定する職種に従事する者。

第3条【台湾公民の定義】

           (1) 次に掲げる者は台湾公民である。
                 (A) 1945年9月2日に大日本帝国天皇が降伏文書に調印した時、大日本帝国統治期間内の台湾において戸籍を設けていた者及びその現在依然として戸籍を有する子孫。但し太平洋戦争後、連合国軍により日本まで強制送還された者及びその子孫であり、現在台湾において無戸籍である者も、また台湾公民とする。
                 (B) 本法のその他の規定に基づき台湾公民の身分を取得した者。
                 (C) 前二号の台湾公民の間及び前号の台湾公民の間の、台湾において戸籍を有する子孫。

           (2) 台湾公民は年齢満十八歳に達した時に選挙、罷免、公民投票等の権利を与えられる。

第4条【台湾住民の身分の取得】

           (1) 台湾住民は、法治法務部が直接台湾住民身分証を発給し、その居留期間は、米国軍事政府の管轄期間においては、法治法務部が米国軍事政府と協議しこれを定める。

           (2) 台湾住民身分証の申請受取は台湾域内に限り手続を行う。

第5条【人道と法理の考量―本法に基づき認定する台湾公民の一】

           次に掲げる者は、第8条第(1)項各号の要件を具備しなくても、もし不良記録が無い場合、許可申請を経て、台湾の法律体系を遵守し民主政治の発展を支持することを宣誓したときは、台湾公民となる。
                 (A) 台僑。
                 (B) 父又は母の一方のみが台湾人であり、その本人が台湾において戸籍を有する者。
                 (C) 米国軍事政府が台湾民政府に台湾の行政、立法及び司法権を掌握管理させる権限授与を完成する日から、台湾において三年連続して毎年合計183日以上の合法な居留が有り且つ住居所を有する米国人又は日本人又は元米国人又は元日本人。

第6条【特殊な貢献―本法に基づき認定する台湾公民の二】

           (1) 次に掲げる者は、第8条第(1)項各号の要件を具備しなくても、もし不良記録が無い場合、許可申請を経て、台湾の法律体系を遵守し民主政治の発展を支持することを宣誓したときは、台湾公民となる。
                 (A) 台湾の安全、経済、環境、農業、対外貿易、医学、科学、芸術、運動、工事、本土文化、教育、宗教又はその他重要な領域事項の進歩又は自由化に対し卓越した貢献が有った者。
                 (B) 本法の施行前において、既に台湾民政府が開催する研修会に参加しており且つ台湾民政府の活動の推進に協力した者。
                 (C) その他前二号に類似する状況にあり、法治法務部が特に審査し許可した者。

           (2) 前項のその他重要な領域事項は、法治法務部がこれを定める。

           (3) 第(1)項に基づき台湾公民の身分を取得した者は、本法第14条の制限を受けない。

第7条【人道の考量―本法に基づき認定する台湾公民の三】

           次に掲げる者は、第8条第(1)項各号の要件を具備しなくても、もし台湾において住居所を有し無戸籍である場合、許可申請を経て、並びに自ら又はその代理人、後見人等が台湾の法律体系を遵守し民主政治の発展を支持することを宣誓したときは、台湾公民となる。
                 (A) 台湾において出生し、生父及び生母が不明又は生父及び生母が無国籍人であって、心身障害であり且つ自ら生活を営めない者。
                 (B) その他前号と類似する状況にあり、法治法務部が特別な考量を与えた者。

第8条【一般的な台湾公民の身分の取得及びその条件―本法に基づき認定する台湾公民の四】

           (1) 外国人又は無国籍人は、契約労働者を除き、現在台湾区域内において住居所を有し、並びに次に掲げる各号の要件を具備するときは、台湾公民の身分の取得を申請し台湾公民となることができる。
                 (A) 米国軍事政府が台湾民政府に台湾の行政、立法及び司法権を掌握管理させる権限授与を完成する日から、台湾区域内において、毎年合計183日以上合法な居留が有る事実が六年以上継続する者。
                 (B) 年齢満十八歳に達し並びに台湾民政府の法律及びその本国法又は国際法に基づきいずれも行為能力を有する者。
                 (C) 品行方正であり、肯定的な思想であり、不良記録が無い者。
                 (D) 相当の財産若しくは専門技能を有して、自立するに足り、又は生活保障に虞が無い者。
                 (E) 台湾語及び英語又は日本語又は中国語等のその他基本言語能力並びに台湾の歴史及び地理等の国民の基本常識を具備する者。

           (2) 前項第(E)号が定める台湾区域内の基本言語能力及び国民の基本常識は、その認定、試験、試験免除、費用及びその他遵守すべき事項の基準は、法治法務部が国務院に報告しこれを定める。

第9条【父と母が皆台湾人でなく台湾において戸籍を有する者―本法に基づき認定する台湾公民の五】

           (1) 父と母が皆台湾公民でなく台湾において戸籍を有し、台湾住民査証を所持する者は、その居留期間は本法第4条の規定に基づき、参議院及び衆議院が普通選挙を完成した後において、不良記録が無いときは、第8条の規定に基づき台湾公民の身分の取得を申請し台湾公民となることができる。

           (2) 前項の申請が却下された者は、その居留期限は影響を受けず、その他本法第3条第(1)項第(B)号の規定に基づき台湾公民の身分を申請し却下された者は、法治法務部が情状を酌量し、次に掲げる処分をなすことができる。
                 (A) 三年以内の居留査証を引き続き交付し又はその60日以内における出境を命じる。
                 (B) 又はその他適当な措置を採る。

           (3) 本法の施行前、台湾において戸籍を有する台湾人であり、資格を有するが台湾公民の身分の取得を望まない者は、主管機関へ「中華民国」又はその他の国家に忠誠を誓う声明書を提出した後において、その居留査証は前項後段の規定に基づき手続を行う。

第10条【特殊な台湾公民の身分の取得―本法に基づき認定する台湾公民の六】

           (1) 外国人又は無国籍人は、現在台湾区域内において住居所を有し、第8条第(1)項第(B)号から第(E)号の要件を具備し、米国軍事政府が台湾民政府に台湾の行政、立法及び司法権を掌握管理させる権限授与を完成する後に、毎年台湾において合計183日以上合法な居留が有る事実が三年以上継続し、並びに次に掲げる各号の状況の一つを有するときは、台湾公民の身分の取得を申請し台湾公民となることができる。
                 (A) 台湾公民の配偶者。
                 (B) 台湾公民の養子女。

           (2) 前項に基づき台湾公民の身分を取得した後、もし不良記録が有る者は、書面を以って警告した後に、依然として違反したときは、法治法務部がその公民の身分を取消す。

第11条【台湾公民及び住民の身分を取得した者の未成年子女の身分取得】

(1) 台湾公民の身分を取得した者の未婚の未成年子女は、付随して台湾公民の身分の取得を申請し台湾公民となることができる。

(2) 台湾住民の身分を取得した者の未婚の未成年子女は、付随して台湾住民の身分の取得を申請し台湾住民となることができる。

第12条【宣誓義務と宣誓の手続等】

(1) 第3条第(1)項第(A)号の規定に基づき台湾公民の身分を当然に取得する者は、台湾の法律体系を遵守し民主政治の発展を支持することを宣誓した後において、法治法務部が国務院に報告して国務院官報又は国務院公式サイトにおいて公布し、公布日から、台湾公民の身分を取得する。

(2) 第3条第(1)項第(B)号の規定に基づき台湾公民の身分の取得を申請する者は、不良記録が無く、審査許可を経て、台湾の法律体系を遵守し民主政治の発展を支持することを宣誓した後において、法治法務部が国務院に報告して国務院官報又は国務院公式サイトにおいて公布し、公布日から、台湾公民の身分を取得する。

(3) 前二項の台湾公民の身分を獲得する者は、年齢満十四歳以上であるときは皆宣誓しなければならず、その宣誓の手続、方式及び宣誓書の書式等は、法治法務部がこれを定める。

第13条【住民等の査証の制限と奨励】

(1) 第3条第(1)項第(B)号の申請人数に関し、法治法務部は台湾民政府の人口政策を参考にして、年代、出身地域、教育程度、専門技能、申請類別等の条件に応じ,滞在若しくは居留(契約労働を含む)等の査証の類別及び割当数を区別し、又は既に台湾に一年以上居住している外国人に対し台湾に移住する奨励措置を提出することができる。

(2) 前項の滞在又は居留等の査証の類別及び割当数並びに奨励措置等は法治法務部がこれを定める。

第14条【申請を経て台湾公民の身分を取得した者の公職に服する制限】

(1) 本法第3条第(1)項第(B)号の規定に基づき台湾公民の身分を取得した者は、次に掲げる各号の公職を担当することができない。各機関又は職務が合併、名称変更を経たときも、同様とする。
(A) 主席、副主席、総理。
(B) 中央から地方に至る各級の参議院及び衆議院等の民意機関。
(C) 中央から地方に至る各級政府の官吏及び国庫若しくはその他の公法人若しくは政府が出資し成立した財団若しくは社団又はその他財務収支が会計検査を経る必要のある団体が給与を支給する公職。
(D) 裁判官、検察官、司法警察員、司法巡査。
(E) その他法治法務部が指定する職務。

(2) 前項の制限は、台湾公民の身分を取得してから、満十年後にこれを解除する。

第15条【台湾公民の身分を喪失する状況】

(1) 台湾公民は年齢満十八歳に達した時、台湾民政府の法律に基づき行為能力を有し、外国国籍を自発的に取得する場合、当該国の法律が単一国籍制を規定するときは、法治法務部の許可を経て、台湾公民の身分を喪失することができる。この手続は、各人一生に二度行うことができない。

(2) 前項の規定に基づき台湾公民の身分を喪失したときは、その未成年子女は、法治法務部の許可を経て、付随して台湾公民の身分を喪失する。

第16条【台湾公民の身分を喪失することができない状況】

前条の規定に基づき台湾公民の身分の喪失を申請し、それにより無国籍人となる者は、法治法務部は台湾公民の身分を喪失する許可をなすことができず、又はその台湾公民の身分を喪失する許可を取消す。

第17条【台湾公民の身分の喪失に対する例外】

次に掲げる各号の状況の一つを有する者は、第15条の規定に符合しても、依然として台湾公民の身分を喪失しない。
(A) 捜査又は審判中の刑事被告。
(B) 有期懲役以上の刑の宣告を受け、なお未だ執行が終わっていない者。
(C) 民事被告。
(D) 強制執行を受け、未だ終結していない者。
(E) 破産の宣告を受け、未だ復権していない者。
(F) 租税の滞納が有り又は租税の処分を受け過料が未だ納付されていない者。
(G) 慰謝料を滞納している者。

第18条【喪失した台湾公民の身分の回復】

第15条の規定に基づき台湾公民の身分を喪失した者は、現在台湾区域内において住居所を有し、並びに第8条第(1)項第(C)号、第(D)号の要件を具備するときは、台湾公民の身分の回復を申請することができる。

第19条【未成年子女の身分の回復】

台湾公民の身分を回復した者の未成年子女も、また付随して台湾公民の身分の回復を申請することができる。

第20条【台湾公民の身分を回復する申請機関及び発効日】

前二条の規定に基づき台湾公民の身分の回復を申請する者は、法治法務部へこれをなさなければならず、国務院が国務院官報又は国務院公式サイトにおいて公布した日から、台湾公民の身分を回復する。

第21条【台湾公民の身分認定の確認】

(1) 本法第3条第(1)項第(B)号の規定に基づき台湾公民の身分を取得した者は、改めて戸籍登記の手続を行わなければならず、なお未だ台湾において戸籍を設けていない者は、初回の戸籍登記の手続を行わなければならない。

(2) 台湾公民身分証の申請受取は台湾域内に限り手続を行う。

第22条【台湾公民の身分の取得、回復、喪失の許可取消及び住民の身分の許可取消】

次に掲げる状況の一つが有った者は、五年以内において本法の規定に適合しない状況を有することを発見したときは、その身分を取消さなければならない。
(A) 台湾公民の身分を取得、喪失又は回復した者。
(B) 台湾住民の身分を取得した者。

第23条【第14条の公職に服する制限の違反に対する処理】

(1) 台湾公民の身分が無く又は第14条の規定に違反し、既に公職を担当している者は、就業する各当該機関、財団、社団、事業団体又はその上級機関がその公職を解除する。但し次に掲げる各号の当該主管機関が許可した者は、この限りでない。
(A) 各級政府の出資合計が半分を超える事業体が給与を支給する人員。
(B) 各機関が契約を以って雇用する人員。

(2) 前項の人員は、法治法務部が認定する公務機密に関連しない職務の者に限る。

(3) 外国国籍を兼備する台湾公民は、本条が定める台湾公民の身分を有して初めて担当することができる公職に就任しようとする時、就(着)任前において外国国籍を放棄する手続を行い並びに当該国国籍の離脱及び証明書類の取得を完成しなければならない。

(4) 第(1)項の規定に基づき公職を解除された者は、法治法務部は本法の発効日後一ヶ月の職務引継期間又は上級機関が指定する引継すべき日から起算し、年利率5%の利息を加え、その既に受取った給与を返還させることができ、もし期限に従い返還しないときは、法治法務部はそれを行政執行署に移送し強制執行することができる。

第24条【申請費用】

法治法務部は本法に基づき許可申請を受理し、証明書を発行するときは、証明書費を徴収することができ、その費用徴収基準は、法治法務部がこれを定める。

第25条【奨励措置とその他】

台湾区域の人民が本法の規定する各種身分証明書の申請手続を行うに関し、法治法務部は奨励措置を提出し、以って人民が早めに手続を行うよう促すことができ、同時に地域に応じて戸籍行政等の機関に通知を発送するよう指示することができる。

第26条【法治法務部が人員を派遣し査察又は面談を行う権限】

(1) 法治法務部及び主管機関は台湾地域における滞在、居留、台湾公民の身分取得等の案件申請を受理し、必要時において、人員を派遣し査察又は面談を行うことができる。

(2) 前項が定める査察又は面談は、査察面談記録を作成しなければならない。

(3) 第(1)項が定める査察又は面談は、査察を受ける者は正当な理由無く、回避、妨害又は拒否することができず、もし回避、妨害又は拒否が有り、書面の警告を経た後、依然として違反が有ったときは、査察面談記録に基づき、法治法務部は一万米ドル以下の過料に処することができる。

第27条【証明書上の英語又は日本語姓名の明記】

本法が規定する各種身分証明書は、漢字姓名の他、同時に英語又は日本語の姓名を明記しなければならない。

第28条【主管機関】

(1) 本法の主管機関は台湾民政府の法治法務部であり、法治法務大臣が事務を総理する。

(2) 法治法務部の組織及び職権は法治法務部が立案し、国務院に報告して審査決定した後、主席に裁可を求め国務院官報又は国務院公式サイトにおいて公布した後に発効する。その修正も、同様とする。

第29条【主管機関の予算配分の原則】

(1) 米国軍事政府が台湾民政府に台湾の行政、立法及び司法権を掌握管理させる権限授与を完成する翌年から、法治法務部及び所轄する各主管機関は、その機関部門の歳出概算を、費用便益比の大小に基づき優先順序を配列して、参議院及び衆議院の審議の参考に供しなければならない。但し歳出概算が採用する財務支出計画は、その費用便益比が1より小さいときは、執行することができない。

(2) 費用便益比を計算する時、非具体的利益の総額は全体の利益総額の百分の三十を上限とし、国務院は二年ごとに一度検査調整することができる。

(3) 国家、公共の利益を重んじて第(1)項但し書きの財務支出計画の予算種類及び範囲並びに費用便益比の計算基準を適用すべきでないときは、国務院がこれを定め、並びに参議院及び衆議院に送って審議の参考に備える。変更時も同様とする。

第30条【国会の偽証行為の処罰】

(1) 何人も参議院及び衆議院の各委員会又は本会議において、本法の重要関係事項につき、宣誓前又は宣誓後において、虚偽の陳述をなしたときは、三年以下の有期懲役に処し、又は十万米ドル以下の罰金を単科若しくは併科する。

(2) 参議院議長又は衆議院議長は検察署へ告発することができる。

第31条【台湾公民権の法律上における認定】

(1) 本法の台湾公民に関する規定は資格規定であり、資格を有する当事者は依然として戸籍法及び本法に基づき、戸籍地の戸籍行政事務所へ関連する申請手続を行い、台湾公民身分証を受取らなければならず、それにより初めて台湾公民権を行使することができる。

(2) 本法の台湾住民に関する規定は資格規定であり、資格を有する当事者は依然として本法の規定に基づき、台湾住民身分証を受取らなければならず、それにより初めて査証に基づき与えられる居留権を主張することができる。

(3) 関連する主管機関は前二項の身分証明に対し、相反する主張をなすことができない。

(4) 第3条第(1)項第(A)号の台湾人の子孫は、その既に死亡した直系親族のために称賛を与えるべき事実を含め台湾公民の身分証明の手続を行うことができ、法治法務部が事実審査し許可した後、書状を贈る。

第32条【戸籍制度の連続性】

本法が称する戸籍は、初め日本統治時期において設けられ、続いて中国亡命殖民政権時期において用いられ、更に続いて米国軍事政府の管轄時期において用いられる。

第33条【陳情処理センター】

(1) 法治法務部は法治法務部部務審査委員会を成立しなければならず、陳情処理センターと略称し、本法の内容及び解釈に関連するあらゆる申立て案件、陳情案件等の事務を処理し、当該委員会の決定はあらゆる行政機関及び司法機関に対しいずれも拘束力を備える。

(2) 前項の行政処分に不服がある者は、行政処分の通達又は公告満了の翌日から30日以内に、訴願法に基づき、法治法務部へ訴願を提起しなければならない。

(3) 第(1)項の陳情処理センターの組織及び職権は法治法務部が別にこれを定める。

第34条【定義の解釈の効力】

(1) 人民は本法又はその施行細則に関連するいかなる用語又は法律観念もその定義に対し争論が有る時、陳情処理センターへ解釈を申請することができる。

(2) 解釈を申請する方式及び手続は法治法務部がこれを立案し並びに公布する。

(3) 解釈を申請する案件は行政処分でなく、訴願又は行政訴訟を提起することができない。

第35条【本法の適用範囲】

本法が指す「台湾」の地理範囲は、1952年4月28日発効のサンフランシスコ平和条約が定める地域を基準とする。

第36条【特別許可の申請一】

(1) 次に掲げる身分の一つを有する者は、法治法務部へ特別許可を申請し滞在査証の手続を行うことができ、その申請期限は、法治法務部がこれを定める。
(A) 台湾域内において既に不法居留又は滞在している無国籍人。但し本法の施行日前において入境した者に限る。
(B) 台湾域内において既に不法居留又は滞在しており、元の国籍がサンフランシスコ平和条約の署名国の一つである公民又は国民。但し本法の施行日前において入境した外国人に限る。
(C) その他前二号に類似する状況にある者。

(2) 前項各号の者は、その身分の認定方法は、法治法務部と国務院が共同で協議しこれを定める。

第37条【特別許可の申請二】

(1) 前条の規定に符合する者は、次に掲げる状況を有しても、自発的に主管機関へ自首したときは、依然として法治法務部へ特別許可を申請し滞在査証の手続を行うことができる。
(A) 不法取得、偽造、変造した証明書を以って台湾に入ることを申請したとき。
(B) 他人の身分を冒用して台湾に入ることを申請したとき。
(C) 許可を経ずに台湾に入ったとき。

(2) 前項の申請により特別許可を獲得した者は、その不法居留又は滞在の時間は、不良記録に含めない。

第38条【特別許可を獲得する効果】

(1) 前二条の規定に基づき、法治法務部へ特別許可の獲得を申請して滞在査証を取得し、満一年後、不良記録が無い者は、一年の滞在査証を引き続き交付することができる。

(2) 前項の査証が、満了し依然として不良記録が無い者は、三年の居留査証を申請することができ、満了後、依然として不良記録が無い場合、更に三年の居留査証を申請することができ、満了後、依然として不良記録が無いときは、居留査証を申請し並びに台湾住民身分証の手続を行うことができる。

第39条【不良記録と効果】

(1) 本法に別に規定が無い限り、いわゆる不良記録は、次に掲げる項目を含む。
(A) 最近五年以内に不法滞在又は不法居留の記録が有ったとき。
(B) 最近五年以内に六ヶ月の懲役以上の刑の宣告を受け且つ未だ執行猶予宣告を受けていないとき。
(C) 戦争法を犯す行為が有ったとき。
(D) 次に掲げる財産を占用又は占用者と一緒に使用したとき。
(i) 公有又は公用又は公益の財産。
(ii) 日本統治時期の財産又は政党の党資産。
(E) 台湾人民の利益若しくは台湾の利益を損ない又は台湾に対し非友好的な言行が有ったとき。
(F) その他法治法務部が国務院と協議した後規定及び公布する項目。

(2) 第3条第(1)項第(B)号に基づき台湾公民の身分を取得した者は、もし前項に違反する記録が有る場合、書面を以って警告した後依然として違反したときは、法治法務部がその公民の身分を取消す。

第40条【本法の施行効力と教示規定】

(1) 米国軍事政府が台湾民政府に台湾の行政、立法及び司法権を掌握管理させる権限授与を完成する日から、中国亡命殖民政権の入出国及び移民法第三章「台湾地区の無戸籍国民の滞在、居留及び定住」の規定は正式に適用を停止する。

(2) 台湾の移民事務に関連する申請事項は、その受理すべき機関は、法治法務部が公布する「身分証明書類発行機関」の明細表を基準とする。

第41条【本法の全面改正と部分改正の手続】

本法の全面改正の手続は法治法務部、国務院が協議した後に、参議院に提出して審議を求め通過した後、主席に裁可を求め国務院官報又は国務院公式サイトにおいて公布した後に発効する。その部分改正も、同様とする。

第42条【台湾公民の認定権】

台湾民政府のその他の機関による台湾公民の身分に対する認定基準は、本法及び本法の権限授与規定と抵触するときは無効である。

第43条【処罰と警察力の配置】

(1) 本法の申請事項につき、偽造又は変造が有った者は、三年以下の有期懲役に処し、又は一万米ドル以下の罰金を科す。

(2) 公職人員が前項の規定に違反したときは、五年以下の有期懲役に処し、又は十万米ドル以下の罰金を単科若しくは併科する。

(3) 法治法務部の定める特別許可を申請し滞在査証の手続を行う期限の後において、正当な理由無く、不法居留又は不法滞在し捜査逮捕された者は、一万米ドル以下の過料に処し、自首したときは半減し、その情状の軽重は、法治法務部が別に処罰基準を以ってこれを定める。第26条の規定に違反した者も、同様とする。

(4) 本法の罰金及び過料はいずれも米ドルを以って計算する。但し新貨幣政策を実施する前においては、依然として新台湾ドルを以って相当の金額を納付することができ、その為替レートは納付日に中央銀行が公告するものを基準とする。

(5) 法治法務部は本法が付与する権限と責任を執行するため、相当の警察力を設置することができ、法治法務部の警察力は刑事訴訟法と関連する権力及び義務を有し、その組織及び権限は法治法務部が別にこれを定める。

第44条【施行細則の別途制定】

本法の施行細則及びその他直接人民の権利義務に関連する権限授与規定は、法治法務部がこれを定めるときは、いずれも国務院に報告し国務院官報又は国務院公式サイトにおいて公布しなければならず、その後初めて効力を生じる。その変更も同様とする。

第45条【施行日と証明書を発行する初日】

(1) 本法の施行日は、法治法務部が国務院に報告し主席に転送して裁可を求め国務院官報又は国務院公式サイトにおいてこれを公布する。

(2) 台湾人民が本法の規定する各種身分証明書の申請手続を行うに関し、その実際に発行する初日は、法治法務部が別に公布を行う。

(3) 米国軍事政府の管轄期間内において、総理の職務は主席が代行する。

第46条【本法の優越性】

本法の内容とその他の法律、行政命令等の規定に衝突が有る時、本法が規定する事項については、本法の規定を基準とする。

第47条【三種の言語版の基準としての中国語版】

本法は中国語、日本語及び英語の各版が有る。解釈の違いが有ったときは、中国語版を基準としなければならない。

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