「台湾の地位正常化」が「日本の完全なる主権回復」に繋がる

この度、日本の安倍首相が、今年の4月28日を日本の「主権回復の日」として記念式典を開催された。確かに1952年4月28日に発効したサンフランシスコ平和条約によって、日本は主権国家として独立を回復し、1972年5月15日には沖縄の施政権も返還された。然し、それで日本は全ての領土で「完全な主権回復」を果たしたわけではなく、実は台湾が「万国公法(the Law of Nations)」の枠内で、未だに日本天皇陛下に属する日本領土であり、現在、中華民国殖民政権の占領下に置かれていることを、日本の皆様はご存知でしょうか?

アメリカ軍事政府の代理で中華民国殖民政権が占領する「日本の領土」台湾

太平洋戦争後、連合国が日本との講和条約を起草していた時、国連政治安全事務室のステイン氏(Mr. Eric Stein)が作成した1950年11月16日会談覚書の中で、アメリカのダレス(Dulles)国務長官顧問が示した「台湾問題(The Question of Formosa)」解決の原則として「アメリカは太平洋戦争の主要戦勝国及び日本の唯一の占領権国として台湾を処理する重大な責任を負っている」と述べられ、1951年9月8日に署名され
1952年4月28日に発効したサンフランシスコ平和条約第23条a項では「主たる占領権国としてのアメリカ合衆国」と定められた。しかし、日本の唯一かつ主たる占領権国であるアメリカは、サンフランシスコ平和条約の発効後も征服権に基づき自ら台湾に対する占領権を行使することはなく、蒋介石の中華民国が台湾施政当局として代理占領してきたのである。サンフランシスコ平和条約に署名した吉田茂首相は、1963年に出版された著書「世界と日本」の中で、台湾について「日本政府は領土権を放棄しただけ」と述べている。 

1952年8月5日に日華平和条約が発効した後、アメリカ統合参謀本部で琉球列島、小笠原群島、硫黄列島の「平和条約後」の処分について、ラヴット(Robert A. Lovett)国防長官に提供された
1952年8月15日覚書付属文書「関連問題と討論の事実」の中で、「サンフランシスコ平和条約第2条において、日本は朝鮮、台湾、千島列島、南樺太、委任統治の下にあった太平洋の諸島、南極地域、新南群島及び西沙群島に対する領土権を放棄した」とされ、「日本が信託統治下に置くことに同意した諸島の最終主権は日本に帰属するものと承認される」と推論できる。この概念はアメリカのダレス署名代表とイギリスのヤンガー(Younger)署名代表に認められ、ダレス署名代表は現在の日本の立場を「残余主権(residual sovereignty)」と称している。

これはサンフランシスコ平和条約第3条で日本が信託統治に同意した諸島以外に、第2条にも日本が信託統治に同意した領土があることを示唆している。

信託統治条項の引証

1.沖縄に対する「アメリカの信託統治条項」サンフランシスコ平和条約第3条

サンフランシスコ平和条約第3条は、「日本国
は(沖縄)を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含む(沖縄)の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする」と定めている。沖縄がアメリカの提案で国連の信託統治制度の下に置かれるまで、日本政府が沖縄に対するアメリカの信託統治に同意するという規定であったが、実際には、アメリカ統合参謀本部の慎重な判断から、沖縄を国連の信託統治制度の下に置く提案が行われることはなく、サンフランシスコ平和条約第3条は「アメリカの信託統治条項」として運用されることになった。アメリカが占領者として沖縄に対する施政権を持つことに同意した日本には、国際法の「占領は主権を移転しない」の規定に照らせば、沖縄に対する「残余主権」を保有している。

2.台湾に対する「中華民国の信託統治条項」日華平和条約第10条

日華平和条約第10条は、「(日本国及び中華民国)は、この条約の適用上、中華民国の国民には、台湾及び澎湖諸島のすべての住民及び、以前にそこの住民であつた者並びにそれらの子孫で、台湾及び澎湖諸島において中華民国が現に施行し、又は今後施行する法令によつて中国の国籍を有するものを含むものとみなす」と定めている。
万国公法に照らせば、この規定は日本政府がサンフランシスコ平和条約第2条b項で台湾に対する「主権権利(rights of sovereignty)」を放棄した後、法理上は日本臣民であった台湾住民を中華民国国民と「看做す」ことを受け入れた「中華民国の信託統治条項」であり、中華民国が代理占領者として台湾に対する施政権を持つことに同意した日本には、万国公法の原則によって、台湾に対する天賦の「主権義務(obligations of sovereignty
)」の変更、免除はできず、「残余主権」を保有している。 

日華平和条約は、日本政府がアメリカ政府の圧力で、1952年4月28日にすでに亡命政府である中華民国を合法な中国と認めて署名し、同年8月5日に発効し、1972年9月29日に日中共同声明で中華人民共和国を合法な中国と認めたことで失効した。日本政府はこの期間、中華民国がアメリカの代理で台湾を占領していた「既成事実(fait accompli
)」を前に、中華民国の信託統治に同意するしかなく、日華平和条約による日本と中華民国の信託関係は、サンフランシスコ平和条約第23条a項によるアメリカと中華民国の代理関係の上に成り立っていた。さらに日本政府が中華民国の信託統治に同意する前提は、中華民国を合法な中国と認めることであったため、この信託統治はあくまで日本と中華人民共和国が国交正常化するまでの期限付きであり、中華民国が相変わらず台湾を代理占領している現状は、日華平和条約の失効で日本と中華民国の信託関係もなければ台湾人を中華民国国民と看做す法的根拠もなく、法理上、台湾人は無国籍状態に置かれているのである。実際に
2008年3月18日にアメリカの地方裁判所で、「台湾人は無国籍である」との判断が下されている。

従って日華平和条約が失効した後、中華民国はアメリカの代理として「中華民国」ではなく「アメリカ軍事当局」の名義で、法理上凍結された日本臣民である台湾人を管轄し、パスポートに当たる旅行証明書を発行すべきであり、その義務を怠った以上、アメリカは自ら軍事政府として占領権を行使する立場にある。日本政府はサンフランシスコ平和条約第2条b項を引用した日華平和条約第
2条により、台湾に対する中華民国の主権を認めて台湾を永久的に譲与したことはなく、第10条で台湾に対する中華民国の施政権を認めて一時的な信託統治に同意していたにすぎない。台湾を信託統治する施政当局が、「中華民国」の名義で台湾に対する施政権を行使したため、まるで主権が移転したかのように誤解されたのである。中華民国の馬英九総統は2009年4月28日に「日華平和条約で台湾に対する主権は中華民国に移転したと確認された」と発言したが、アメリカ政府が直ちにこの発言の誤りを正さなかったことは、中華民国の捏造に加担したことになる。信託統治を讓与と取り違えたことが台湾地位を曖昧模糊にした原点である。

日本の台湾に対する主権の歴史的背景と「台湾民政府」の成立

1895年5月8日に下関条約が発効し、清朝皇帝が拓殖地の台湾を日本天皇に永久割譲したことで、台湾は日本の植民地となった。 その後1937年から万国公法により植民地を領土に昇格するための皇民化政策が行われ、1945年4月1日に昭和天皇が台湾住民に参政権を付与する詔書を下され、徴兵令が施行されたことで、台湾に大日本帝国憲法が完全施行され、台湾住民は日本臣民となり、台湾は日本の不可分の領土となった。然し8月15日の敗戦で日本は連合国の占領下に入り、1947年5月
3日にアメリカ占領下の日本で日本国憲法が施行された一方、台湾には中華民国の代理占領で凍結された大日本帝国憲法が残された。そして
1952年4月28日に発効したサンフランシスコ平和条約で日本は主権回復したものの、沖縄ではアメリカの占領、台湾では中華民国亡命政府(Chinese government in-exile in Taipei)、略してChinese Taipei、の代理占領が継続されている。(中華民国が国際社会でChinese Taipeiと呼ばれるのは、台北に逃亡した「中国亡命政府」
のことである)。

沖縄は1972年5月15日に沖縄返還協定の発効で領有権を持つ日本に施政権が返還された。続いて同様に、米国は万国公法の原則に従い台湾も日本に返還すべきであり、「台湾返還」という「台湾地位正常化」を実現させるべき責任を負っている。

以上の法理をもとに、台湾の地位正常化を求め、
2006年10月24日に林志昇氏ら台湾人原告団がアメリカの裁判所にアメリカ政府を訴えた。
2009年4月7日に高等裁判所は、「台湾人は無国籍で、国際的に認められた政府を持たず、政治煉獄の中で生活している」、つまり亡命政府の代理占領下で「偽りの民主」を強いられているとの判断を下し、アメリカ政府も抗弁権を放棄した。これを受けて2010年7月4日に原告団は戦時国際法により、かつてアメリカ占領下の沖縄に設けられていた行政機構「沖縄民政府」に相当する「台湾民政府」を本格成立し、現在までに台湾民政府が
2011年8月1日に施行した「台湾公民権利法」に基づいて台湾人に「台湾政府身分証」を発行している他、2011年12月に150名、2012年12月には220名が訪日して靖国神社を参拝し39,100柱台湾人英霊の御霊を弔うとともに、天皇誕生日一般参賀に、台湾民政府の旗を掲げて参列した。http://youtu.be/Fs83mFDO8s4

ECFAの締結で中国の共産党と国民党が完全に和解し、共産党軍と国民党軍が一つの「中国軍」になってしまった今、台湾の地位正常化は尖閣諸島問題の解決など日米の国益にとって不可欠です。
我々台湾民政府はアメリカに対し、中華民国植民政権の代理占領を早く終了させ、米国軍事政府として直接占領し、さらに台湾を日本に復帰させることを求め「日本の完全な主権回復」と「台湾の地位正常化」の実現を目指しています。 台湾が国際法上日本の不可分の領土である以上、いわゆる「台湾の独立」も「中国との統一」も違法であり、実現不可能なのです。日本の皆様には何卒ご理解を頂き、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

天皇陛下 万歳

台  湾  (民)   政  府

主席  曽根憲昭
議長  張 文彦
秘書長 林 志昇

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